叔父の話、その後

僕の母親が病院へ行ったとき、従妹も叔母もまるで事務作業のように淡々と対応をしているのに驚いたという。
叔父に向かって「大丈夫?!」「しっかりして!」といったような台詞は微塵も聞かれなかったと。
叔父はそれほどまでに嫌われていたのか。

叔父の自発呼吸が、だんだん弱くなってきたそうだ。
医師は「後は本人の生きる気力次第、覚悟しておいてください」と言っていたようだ。
しかし、自殺をするような人に生きる気力があるわけもなく。
脳溢血で倒れた人が昏睡状態になり、数日後に容態が急変し亡くなっているケースを見ている僕は、最初聞いたときから「厳しいな」と予測していたのだが、叔母達は首を吊ったがいつか意識が戻ると思っていたのか、医者のコメントを聞いてようやく表情に翳りが出たようだ。
あまりにも楽観的過ぎる。
だから占いへ走ってしまったのか?

そして、母親からはいろんなことを聞いた。
占い師の一言に「この人は一人では死ねないから」というのがあったらしい。
自己否定されてるじゃないか……そんなことを鬱の人にいったら余計死ぬと思うのだが。
さらに、叔父の自殺計画は3月に始まっていたという事実を知る。
母親が僕のところへ何度も電話で相談してきていたのは、そのせいだったのか。
叔父は3月頃からずっと、ロープや脚立などを常に車に積んでいたという。
先日祖母の家で未遂があった時の遺書の日付も3月だったとのこと。
境界例に狂言自殺はつきものだし、と僕は聞いていたのだが、そこまで条件がそろっていると知っていればもう少しまともなアドバイスができたかもしれない。
家族も親類も精神疾患に詳しい人がほとんどいなくて対応がまずかったのは否めない。
叔母も母親の助言をほとんどきかなかったし叔父も近頃はまったく病院に行っていなかったなど、悪条件がいくつも重なり過ぎた。
いずれにせよ、残念な結果となったことに変わりはない。

blue

Posted by CINDY