こころの源の、死

母方の叔父の検査の結果が出た。
脳死だそうだ。
(自発呼吸があると脳死とは言わず深昏睡とか言うと思うんだけど……まあ母親のメールにはそうあった)

嬉しいことがあると胸が躍る。
辛いことがあると胸が痛くなる。
しかし、こころは胸にあるのではない。
すべての気持ちの源は、頭の中。
叔父のこころは、死んでしまった。
これで叔父は、楽になれたのだろうか。
奇跡的に意識が戻ったとしたら、叔父はまた苦しむのだろうか。

わからない。

いまはまだ自発呼吸があるそうだけれど、いつまでこの状態が続くかわからない。
そうなると、叔父は本当に、心身ともに死んでしまうことになる。
母親からのメールの最後には、弱々しく
「こんな結果になってしまって残念。
CINDYはお母さんになんでも相談してね」
と書いてあった。

言われてみると、鬱になっても理解が得られないので、親には今までほとんど相談しなかった。
(家族は友達よりも遠い他人だと思っていたので余計に相談しなかったのは大きいけどね)
鬱になったことがない人には、あの感覚はわからない。
どん底の、なんの光もない、なにも見えない、真っ暗なあの感覚が。
これ以上自分というものが存在している意味がわからなくなるあの状態が。
かつて、僕にも何度かあった。
そのたび、まわりの皆に助けられてきた。
皆のおかげで、僕は今生きている。

叔父には、その助けが、なかったのだ。

この歳になってようやく、生きていてよかったと思えるようになった。
みんな、本当にありがとう。
人のつながりは、大切にしなければと思った。

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Posted by CINDY