大切にすべきもの

「もっと自分の人生を、大切に生きてください。」

名前も知らないたくさんの人が、声をそろえてそういった。
僕の人生ってなんだろう。
そもそも自分でもよくわからないものを、どう大切にすればいいかなんてわからない。

独りになったら「それ」がわかるかというとそうでもない。
どうせいつものように、頭の中でたくさんの自分たちがぎゃあぎゃあと僕を責め立てる。
そうでなければなにも考えてない時に過去を延々とフラッシュバックさせる。
自分でコントロールできない脳。
自分で自分の脳味噌がどうなってるかよくわからない。
その声から、音から、映像から逃げ出すために、常に妄想の中で生きている。
現実と向き合うと生きる気を無くしてすぐに死んでしまう。
必死で、生きるために、現実を見ない。

誰かといると、妄想から抜け出せる。
現実の世界から受ける痛みも、多少は和らぐ。
なにも、すぐ目の前にいなくていい。
電話。メール。ゲーム。チャット。ネットワークの力は偉大だ。
できる限りの時間、誰かと一緒にいるために。
必死に生きる。

気がつけば、誰かに合わせて生きることで、命を繋いできたんだね。
だから、自分のために生きることの意味が、この歳になってもよくわからない。
独りで生きることができない僕は、誰から見ても明らかに不良品なんだろう。

なにを、どうすれば。
他の人たちのように、自分の人生を楽しめるんだろうか。

#妄想の世界に生きて得することは、特にない
僕には、妄想を稚拙な技術で粗末な形にして、表現するくらいしか、能がない
もっとセンスがあれば、また別の人生を歩めたのだろうけど
もって生まれたセンスの差は、技術だけでは埋められないからね

AC,blue

Posted by CINDY