変わりゆく労働事情
部屋へ帰る。新幹線を使うとお金がかかるので、叔父と一緒に車で帰った。
そのとき、人事の話になった。
叔父の会社では、採用試験として面接２回と学力テストのほかに性格テストというのもやるらしい。これがかなりすごいものらしいという話。ウチの会社もやればいいのにな。１回8000円は高いかもしれないけど、昨今問題を起こす契約社員が多いことを思えば、安いものかもしれない。
「業務部に関して言えば、今はキャリアは要らんからな。
キャリアは長くてもひとつのことしかできんヤツにはひとつのことしか任せられん。
今のご時世、それじゃ人件費がかかりすぎるんや。
でも、ひとつのことに対するキャリアが短くてもふたつのことができるやつなら、ふたり雇わんでもええんや。
幅広い知識があって、なおかつその知識を知恵に換えられるヤツが欲しいねん。
普段の業務に疑問を持ち、俺のところになんでやねんて言うてくるヤツほど大事にしたい。
将来、そいつが会社を買える大発言をしてくれるかもしれんからな。
せやから、文句を言うやつにはいつも言いよる。
『せやったら、なんでこんなことせにゃならんのか自分で考えてみ？
もし、もっとええ方法があるんやったら俺に言うてこい。
相談に乗ったろう』てな」
それに最近はパートを募集すると若い子がたくさん来るんだそうだ。
「なんで応募したんか訊くとな、パートの方がフルタイムより自分の時間がたくさん取れるかららしいで。
派遣の子も、１年働いて２ヶ月休みを取り、旅行で楽しむとかういう理由で派遣やねん。
最近は変わってきたんやなあと思うわ」
不況だからかと思ってたけど、それ以外の理由も、あったのね。