生きた過去の過ち

親友のことを、今日も考えていた。

思うのだが、男は世間体にこだわるわりにはかなりカッコ悪い生き方をしていると思う。
男は自分の思い描いたとおりの人生ではないからと、必死に現実から逃げようとした。
しかし、いままで彼女に何を言われようとも避妊しなかった自分の所為でこうなっているのだとは思っていない。望みどおりの人生を送れないのを、子供の所為にしている。
だから「俺を怒らせてお前の腹を殴らせるなよ!」などというカッコ悪い脅し文句が言えるわけだ(当然そんな台詞で彼女が怯むわけがない)。
しかし、今回の件はどう転んでも男を理想の人生に導かざるものであると言える。
出来婚を回避するために子供を堕ろさせようとあれこれと言ってみたものの、彼女は産むといって聞かなかった。
結果、養育費を払うことで出来婚は免れたものの、この先20年は養育費を払いつづけなければならない。
さてここで新たな問題が発生する。新しく出来た恋人に、それをどう説明するのだろうか?
賢明な皆様ならば恋人がどう受け取るのかは大体想像がつくと思う。よほど人間が出来た女性でなければいい顔はしないだろう。
たとえ以前思い描いていた人生が歩めたとしても、己には捨てた子供がいるという現実からは逃れられない。
己の過去の過ち(ではないと男は言うのだろう)が、姿形もわからぬまま生きた証となってこの世のどこかに存在し続けるのだ。
もしこの現実から本気で逃げたければ、殺すか、死ぬしかない。
が、物は壊せばそれですむかもしれないが、人は壊せば罪になる。
どちらにせよ出来婚から逃げた以上、まっとうな人生を送ろうとするならば、男も人並み以上に苦労が必要ということだ。
ただし、男が過去をきれいさっぱり忘れられる性格であったとしたら、この仮説は成り立たなくなるわけなのだが。

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Posted by CINDY