男運の悪さ

以前の日記に尽くす人は男運・女運が悪いという話を書いたと思う。
僕の男運の悪さもかなりのものだが、彼女はさらにその上をいっていた。
僕の親友も、まさしく尽くすタイプだ。女友達の僕にでさえ、こまやかな心配りを忘れない。相手が男ならなおさらだろう。
自分のことしか考えていない、自分のしたことに責任を取れない、ましてや子供ができてしまったことを親に報告すらできないような情けないを通り越して存在価値すら疑われるような男と、なぜ彼女は一緒にいたのだろう。
男のわがままを、なぜずっと許してきたのだろう。
以前から男のわがままぶりを聞かされていた僕が、ずっと疑問に思ってきたことだった。
『彼を買いかぶりすぎてたのかな。私が彼を甘やかしちゃったのかな』
思うのだが、対等の付き合いができなくなった時点で、その恋愛は終わったも同然ではなかろうか。
尽くす人間は相手のわがままを許す限度枠が他人よりも大きい場合が多い。過ぎた甘えが「この人はいつだって自分をわかってくれるから、何を言っても許される」という誤解を生むのだ。
そのうえ尽くす人間は非常によく気がつく。言われなくてもいろんなことを進んで自らやる。たとえば、部屋を片付けたり、物を買い揃えたり。いわゆる便利屋になる危険性が非常に高い。
そして相手がその状態に慣れ、感覚が麻痺してしまうと、感謝の念は忘れ去られる。
そんなこんなで互いの立場のバランスが崩れ、関係に歪みが生じるのだ。
どちらかが我慢をしなくては、続けられない仲……しかし人の我慢というものには限界がある。放っておけばいずれは破綻する。
必要以上に我慢してまで関係を続ける必要はない。無理して関係を続けたところで、互いのためにならない。時間の無駄になるだけだ。
彼女は、男の言動に対しずっと我慢を続けてきたそうだ。
だったら、男が避妊をしなくなった時点で、僕に相談がほしかった。
僕もかつて、過ぎた我慢で時間を浪費したクチだった。
彼女にはそうなってほしくなかった。
ましてやこんな目に、あってほしくなかった。
人を見る目がなかった、の一言で終わらせてしまいたくない。

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Posted by CINDY