式。
出棺のとき、再び棺が開けられる。
遺族が、親族が、親友達が、次々と花で棺を埋める。
術後の経過が思わしくなかったこともあってか、顔の形が少し変わってしまってはいたものの、故人は故人だった。
涙が、止めどもないほど溢れ出す。
『あまりにも早すぎる死』同席した誰もがそう思った。
火葬場に到着し、線香を棺に入れる。また、涙があふれてくるのがわかる。
重い扉が閉じられる。今生の別れを告げるとき。
そして、炉に火が入れられた。
……綺麗に焼かれ、灰になった姿を見ると、一層物悲しく思えた。
わずか2時間で、灰と白骨だけが残された。
葬儀屋と火葬場職員のあまりに機械的な動作に、正直、虚しさを覚えた。
葬儀屋にいたっては、あまりにもビジネスライクで……やはり、ここでも数字がものをいうのか。
……みなさん、僕が死んだときには、葬式なんて要りません。というか、しないでください。
いや、『するな』が正解。
代わりに、僕の亡骸を焼いて、あとに残った灰を、風に流してあげて下さい。
『次に生まれ変わるときは、烏になれますように』
そう祈りながら、灰を空高く投げ上げて下さい。

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Posted by CINDY