天使のことは心配なのだけれど。

天使の心配をしているのは僕だけではない。
何人もの人たちが、天使のことを心配している。天使の力になろうと頑張っている。
しかし、僕たちだってひとりの人間であり社会人であるわけで、仕事中はなかなかメイルのレスを返せない。
天使の話もできる限り聞いてあげたいのだが、それ以前に僕たちは生活していかなければならない。
僕らは仕事として天使の悩みを聞いているわけではなく、一個人として聞いている。
仕事であれば24時間体勢で話を聞ける状態を保ち続けなければならないが、一個人である僕らにはそれは不可能だ。
言い訳になってしまうのかもしれないが、僕だって、仕事が忙しくなったらそれどころではなくなってしまうのだ。
 僕や、その他のみんなの状況を、少しは察してあげてほしかった。
しかし、僕のメイルに対する返事は、よけいな心配はもういいといった内容のものだった。
……僕は天使を叱咤した。
天使は、意見されることで、自分を否定された気持ちになってしまうのかもしれない。
意見されたくないのならば、最初に愚痴を聞いてほしいといってくれればよかったのに。
けれど、僕の声はもう届かないということがわかってしまった。
結局何もできないまま、僕はこの件から手を引くしかないのだろうか。
……ならば、天使のことは天使に一番近いひとに任せよう。
そして、僕からはしばらく連絡を取らないことにしよう。
それが今日の結論だった。

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Posted by CINDY