幸せ貯金
僕は幸せを貯金できない体質みたい。
僕のこころは、脆いから。
こころにヒビが入るたびに、幸せでキズを埋めていく。痛みを中和させるために。
衝撃を受けた分だけ幸せが減っちゃうんだね。損な体質。
キズの量と幸せの量が見合っているうちはまだいいけれど、傷のほうが多くなってしまったら？
キズだらけになるばかりで、幸せを見つけられなかったら？
……去年みたいに壊れると思うんだ。
キズつくことで、痛みと恐怖を覚える。
その恐怖が、キズつきもしないのに、痛みを思い出させる。
……恐怖がキズを呼ぶんだ。
他のみんなよりほんのちょっとアンテナのレンジが広いだけで、簡単にキズついてしまう。
例えそれが、みんなにはぜんぜんたいしたことじゃなくても。
みんなには感じられないレベルの痛みも、感じてしまう。
それを理解してくれと言う方が、やっぱりおかしいんだろう。
……痛いよ。
世の中には居るんだよね。
僕の痛みをわかったような顔をして僕に近づいてくるウソツキが。しかもいっぱい。
でも、僕にはウソついてるってわかるんだよ。
僕が何も言わないから、バレてないって思ってるんだね。
「下心がミエミエですヨ☆」……笑って言ってやろうかしら。