それに似た、別のなにか

ケーキセットに例えた開発の話はまだ続く。

到達点が見えていない人がいる話。
ショートケーキセットを作るのなら、イチゴショートケーキとドリンクが必要で、まず調理器具をそろえておくのはもちろん、ショートケーキとドリンクの材料、食器を用意する必要がある。
そしてスポンジを焼き、クリームを泡立て、デコレーション。それと平行してお湯を沸かし、紅茶を淹れ、ミルクを温め……といった段取りが脳内に描けてると思うんだ。
ところが、卵を泡立てる、とかフルーツをカットする、などの個々の工程ばかりに目がいって、ショートケーキセットを作る、という到達点が見えてないパティシエがいるってのを、最近知った。
出来上がったものがショートケーキセットじゃなくなってるのを、何度も目の当たりにしてきたから。
「なんでこんなコードになってるんだ」ってのが、まさにそれ。
常識的に考えるとかなり異常な話なんだが、システム開発はなぜかこういうことが平然と起こってしまうから不思議だ。
やっぱあれだろうか、僕みたいな未熟なヤツでも最前線に立ててしまうIT業界の構造がダメなんだろうか。
普通、コックって皿洗いからスタートだもんなぁ。

そして今日もバグ発覚。
月曜に現地調査・現地作業確定--。

僕が通したオーダーは、ショートケーキセット、ドリンクはホットミルクティーだった。
いまそこに在るのは、ショートケーキセットではない。
ショートケーキセットのように見える「なにか別のもの」でしかないのだ。
作ったパティシエはもういない。
それがいったい何であるかは、もはや誰にもわからない。

blue,IT,work

Posted by CINDY