『塩ビは有害』
2年後には、日本からはポリ塩化ビニル製品がなくなるのだという。はたして、皆はその情報をどこから聞いたのだろうか。
身の回りの製品に目を向けてほしい。
一般的な水道管は塩ビ製なのだ。そんなことを言ってしまえば、水も飲めなくなってしまうのではないか?
「塩ビを燃やすとダイオキシンが出る」
布を燃やそうが紙を燃やそうが草を燃やそうが、ダイオキシンは出る。それを塩ビだけ出すかのように強調して言うのはどうか?
言っておくが、PETは燃えない。溶けて縮んで小さくなりはするが、燃え切ることはない。燃え切る素材と、燃やしてもゴミとなって残る素材。はたして数年後に環境問題で困るのはどちらだろうか。そのときに悔やんでももう遅い。
しかしいまのままでは、塩ビは近い将来、業界から閉め出されるだろう。
ヨーロッパではOKな塩ビが、何故この国だけダメなのか?
……この国は、政治献金を多くした団体が優遇される傾向にある。圧力団体も、強いものが勝つ。そして行政もメディアも強いものに流され、あらぬ情報が世間を飛び交い、人々はそれに洗脳されていく。
こうしてどんどんこの国は他の先進国から遅れていくのだ。
金の流れがそのよい例ではないか。ゼネコンが傾けば国はそこへ金を注ぎ込む。銀行が傾けばまたそこへ金を注ぎ込む。そしてまた、いままで通りに多額の献金を得て、政治家どもは贅沢三昧の日々を送る。
銀行も銀行だ。自分達が諸悪の根源であることを棚に挙げていいかげんなことばかりしている。
現に、貸し渋り対策にと国がくれた金を商工ローンに貸しているではないか。一般に貸すよりも確実に金が還ってくるからだとか。
そういえば、銀行は数年後とに融資先がかわる。たしか、ついこの間までは住専ではなかったか……?
銀行の愚行は、何もそれに限ったことではない。
赤字を出せば銀行から逃げられる。黒字を出せば国から税金をとられる。これでは零細企業はやっていけない。
ではどうすればよいのか? それは、帳面上だけでも1年おきに赤字と黒字を繰り返せばよいのだ。気のきく計理士ならば、誰もがこうしてくれるはずである(もちろん、計理士自身も得をする……信頼の名の元に報酬額を少々上げてもその会社は目をつぶっていてくれるのだから!)。
そんな赤字にですら、銀行は目を白黒させる。まったく間抜けな話である。
銀行といえば、こんな話がある。
製造業を営む、零細企業と呼ばれるある会社には、当座預金の口座が2つあった。
月に1度しかこないが土地があるからと無担保で金を貸してくれるメインバンクのA銀行と、積み立てなどのために週に2度行員が来てくれるB銀行。
あるときその会社がサギにかかり、その年の決算が大幅な赤字に転落した。
A銀行とB銀行はその会社にどういう態度をとったのか。
A銀行はすぐさま「貸した金を返せ」と言ってきた。世間一般には、それが当然のことと思えるだろう。
しかしB銀行の行員は、ローンの借り換えなど、いろんな金策を助言し、結果その会社の復興に一役買ったのだ。当然、その会社はA銀行を切り捨て、B銀行をメインバンクとし、サブバンクを新たに立てた。
どうしてこの違いが現れたのか? それは、行員が会社のどこを見ていたかの違いなのだ。
サギにかかったとはいえ、その会社は不況の最中でも残業をしなければ製品の出荷に間に合わないほど繁盛している会社だったのだ。
こまめにその会社に足を運んでいれば、行員は工場の機械が稼動しているかどうかがわかる。会社が本当に危機を迎えているのかどうかがわかるはずなのである。
A銀行の行員は月に1度しか回ってこない。会社の業績は決算書以外に何で判断できようか? 現に、A銀行の行員の口癖は「決算書をくれ」だったそうだ。
一方、B銀行の行員は、繁盛しているはずのその会社にいったい何が起こったのかと、まずは話を聞くことからはじめた。そしてことの顛末を知り、すぐさま行動を起こしたのだ。
銀行員諸君、“出先にいったら社長の顔ばかりでなく現場もしっかり見てこい”という言葉には、そういう意味があったのだよ、というわけだ。
……真実はいつも隠されている。
目の前に並べられた情報すべてが、真実ではないのだ。
目先の情報に踊らされ、流されている場合ではない。
その目で、耳で、身をもって真実を確かめるまでは、氾濫する情報を鵜呑みにしないことだ。

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Posted by CINDY