10years
「諦めるのは他人ではなく、いつも自分だ。
自分が諦めない限り、道は続いているんだよ」
10年前に描いていた夢は、まだ叶わないままでいる。
諦めなければ、いつか叶うだろうか。
もうすぐ、上京して10年が経つ。
なのに、僕は、10年前から変われていない。
この10年、延々繰り返し続けていることがあるのに、気が付いた。
また？
またなの？
またしても？
もうこれで何度目だい？
10年経っても進歩していない自分に、心底失望する。
あれから何度も、仕事を、住処を、考え方も、生き方も、あらゆる面で僕は変わり続けてきた。
つもりだった。
変わったと思っていたのは自分だけだったという残念な現実に、気が付いた。
もっと早く気づけよ……いまさら過ぎるじゃないか。
こころの中にようやく感が漂う。
いや、ようやくどころの騒ぎじゃないほどいまさら過ぎて残念というか脱力というか、なんというか。
10年もの間、同じ失敗を繰り返すのは、僕の不徳の致す所で。
もっともっと、僕が成長しないとだめなんだと思う。
この10年間、地元では学べなかったたくさんのことを学んできたけれど、きっとまだまだ、まだまだ足らないんだ。
足りなさ過ぎるんだ。何かが。
ああ。
どこまで頑張れば、僕は変われるんだろう。
未だ変われない僕に、言の葉がひらり。
「無理に変わろうとしなくてもいいんだよ」
そのやさしさに、僕はまた涙する。
「もっとお前に諦念があればな……」
そう言われたのは、10年前の今頃だった。
昔から諦めが悪いのが、だめなんだろうか。
真実を見抜く目がないのがだめなのは、まあ認めるけど……orz
「今のお前に未来はあるのか？」
あのときは真っ暗で何にも見えなかった未来。
先の見えない自分がいやだった。
変わるため。
未来の見えない絶望的な自分を変えるためだったよね。
あのときもらった勇気を、希望を、夢を胸に、僕は地元を出たんじゃなかったのかい？
なんで変われないんだろう。
情けないなあ。