救えただろうに
昨日、総務の女性から突然のお別れメール。
会社の黎明期を支えた古株さんだった。
あまりに突然過ぎてみんな驚いた。
理由は、家庭の都合。
皆の見解は、重病の母の介護があるからだろう、となっていた。
しかし、僕にはそうは思えなかった。
なぜなら……彼女の勤務先は自宅から近い支社ではなく、片道２時間もかかる本社だった。
毎晩毎晩、終電帰りだった。
帰れない日もよくあった。
……なぁ、本社の総務連中、あまりにも配慮なさすぎじゃねえの？
彼女がやめてしまった理由は、ホントに家庭の都合なのかい？
彼女が辞めるの、誰も知らなかったよ。あまりにも突然過ぎないかい？
そもそも、なんでそんなに残業させてたの？
うちの本社総務のボスは仕事ができない人で有名だよね？
……疑問ばかりが残る。
真相は。
総務のボスが、自分の気に食わない人間を追い出したりクビにしたりするとのこと。
子供じゃあるまいし……狭量な人間が権力を持つと、こうなるという悪例。
僕は、彼女に挨拶も出来なかった。
なんで突然いなくなっちゃうんだよ。
最後に挨拶くらいしたかったじゃんよ。