ばあちゃんの脚が……
実家に帰った。
本当は、今日は休みじゃなかったんだけど、次はいつ休みが取れるかわからないから、いまのうちに休みをもらって実家に帰ることにした。
今日は祝日だから家族と過ごせるかも、とか思っていたら、なんと親の会社は出勤日だったようだ。
父親は配達に出かけ、母親も工場のお守りに。
……ぽつねん。
僕、おうちに残される。
ばあちゃんに会いに行くか。
ばあちゃんちに着いたら……ばあちゃんがうんうん唸ってる？！
どうしたんだろう！？と思ったら、どうもばあちゃんは、前から悪くしていた足が、とうとうどうにもならなくなってしまっていたらしい。先日も、入院したばかりなんだそうだ。
お風呂でマッサージして、なんとか復活。
ここまで足が悪くなっていながら、ばあちゃんは手術を受ける気がないらしい。
なぜ？
ばあちゃんはとても心配性で、自分のことより他人のことが心配でならない人。
自分のことに気を遣う前に、他の人にいろいろ気を遣ってしまう奇妙な癖がある。
お金も自分のためにはほとんど使わず子供や孫にみんなあげてしまったり、入院している間も自分の身体より留守にした家や子供や孫のことが心配になってしまったり。
不思議なくらい自分を捨て置き他を優先する人なのだ。
でも、今回ばかりはカンベンしてほしかった。
歩けなくなったら、体型が体型だけに寝たきりになってしまう。足以外は身体のどこも悪くないのに、足が悪いだけで寝たきりになってしまったら？ 他の部分が悪くなり始めるかもしれない。それに、身体を動かさないとボケてしまうかもしれない。
こんな歳になって手術しても、とか言い出すばあちゃんを、なんとかしたい。
それでも、子や孫の言うことも聴かずにいつも通り他を心配してばかりのばあちゃん。
ああ、この「他人の言うことをちっとも聞いてない」あたりが、僕に似ててかなり辛い。