親と喧嘩した。

そして泣かせてしまった。
僕が、親兄弟に対して配慮が足らなさ過ぎるからだ。
親はいつも僕を心配してばかりいるようで、僕がいないといつも両親と弟とで僕の話ばかりするらしい。
僕が家にいたくないのは、家に居場所がないから。
家にいても、楽しいと思うことがないから。
でも、僕が家にいない間、親は僕のことが心配で仕方ないらしい。
帰る時間に電話を入れろと言われても、その気は起きない。
……昔、夜遅くに帰っては親に叱られてばかりいたから、電話をすると叱られるという心理が働いてしまうのだ。
普通ならできて当たり前のことができない僕。
普通なら感じられて当然の、親の愛情を感じ取ることができない僕。
僕が素直になれないのは、何故なんだろう。
いくら他人によくしても、自分が本当に困ったときには、他人は助けてはくれない。
助けてくれたとしても、社会的には認められない。他人は他人でしかないから。
本当に困ったときに助けてくれるのは、親兄弟だけだというのに。
それでも僕は、親兄弟よりも他人を優先してしまう。
他人から愛情を得ようと必死になってしまう。
僕が死ぬほど可愛がられた14の夏の記憶も、金糸雀という他人からの愛情で作られたもの。
本当に大切にしなければならないのは、血の繋がった親兄弟だというのに。
どういうわけだか、僕には親兄弟が他の誰よりも遠く感じられてしまう。
どうして?
この歳になっても、いまだにわからない。

叱られているのはお前だけじゃないと、弟にまで諭された。
僕も、弟に負けないくらい可愛がられてきたはずなのだ。
その記憶が微塵も残っていないのは、その愛情が全く感じ取れないのは、正直悲しい。

AC,blue

Posted by CINDY