若さゆえに恐れることのないもの、死。
誰にも平等に訪れるもの。
死にゆく者の中には、まるで死を予感しているかのような、謎めいた言葉を残す者もいる。
しかし、その言葉も、口にだすにはかなりの体力が必要なのだそうだ。
重病人は、言葉を発しないかわりにひとすじの涙を流すのだという。
死の直前まで耳は聞こえるのだとよく言われているが、こちらの声が耳に届くのだろうか。
病人が寝たきりだからといってうかつなことは言えない、そう思う。
そして死は、足下から訪れる。
感覚もつま先から失われていくのだそうだ。
末端から全身へ広がっていく死斑。助からない証。
……意外なことに、死後身体が冷たくなるまでには時間がかかる。
手をふれればまだ暖かく、息さえしていれば今にも目を醒ましそうなのだ。
しかしそのほとんどが、蘇生することなく巨大な生ゴミとなり、様々な方法で処分されるのである。

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Posted by CINDY